数百人のさらし姿の裸男たちがかけ声とともに櫓をかついで、飛騨古川の町並みを巡行します。
この起し太鼓は、もともと祭が始まることを知らせるために太鼓を叩いて町内をまわったことから始まったとされています。
目覚まし太鼓ともいわれるこの風習は、各地であったといわれておりますが時代の変化とともに起し太鼓へと変化していきました。
この大太鼓の上で太鼓を叩く主役ともいわれる「太鼓打ち」は、この氏子たちの憧れでもあります。
この大役は、一生に一度しかできない特別なものなのです。その思いを込めて叩く太鼓の重厚な音は、体の奥底に響きます。
4月19日、夜。
数百人の裸男たちによる
祝い唄の唱和で幕を開ける起し太鼓。
大太鼓が動き出すと、それを追って
各組の付け太鼓が勇ましく突き進んでいきます。
この攻防戦は深夜12時過ぎまで続きます。
起し太鼓の先頭集団は、女性も子供も一緒になって練り歩く提灯行列
打ち出しの会場となるまつり広場では、出立祭の前に、各組の若者が付け太鼓を使い様々な技で度胸を試し合います
「付け太鼓」と呼ばれる小太鼓を大太鼓の櫓に最も近い位置につけて進むのが名誉とされ、激しい先頭争いが繰り広げられます
古川祭で歌われる民謡に「ぜんぜのこ」があります
これは起し太鼓にはなくてはならないものであり、祝い唄としてめでたい席などでも歌われます。
起し太鼓は宮本組を除いた11組が4組(青龍・白虎・玄武・朱雀)にわかれて行われます。
起し太鼓主事は、前年の起し太鼓主事を除いた3組で神籤をひいて決められます。